現在は全国各地で講習会などのコーチ活動を行なっています。
この記事では下回転サーブについてわかりやすく徹底解説しますね!
卓球を始めた初心者の選手が、最初に回転をかけたサーブとして練習するのが下回転サーブ。
「回転をかける」という感覚がまだ身についていない中で、どのような点を意識して下回転サーブを練習するのが一番上達が早いのか。
今回はそんな下回転サーブについて徹底解説します。
下回転サーブとは?

下回転サーブとは「面を立ててレシーブした時にボールが下に落ちるサーブ」のことです。
サーブの出し方としては、ボールの下をこすって打球するのが一般的。自分の経験則から間違いないですが、トップ選手は異常なほど下回転サーブが切れています。
わかっていても初見だと何本かネットミスするくらいです。
トップ選手が下回転サーブを強化する理由は単純で、下回転サーブはレシーブを限定させやすいから。
いくら横回転系のサーブの回転量をアップさせても角度を合わせれば簡単に返せますが、強烈な下回転サーブは角度を合わせて返すのが非常に難しいです。
トップ選手ほど見えない部分で優れているサーブ、それが下回転サーブです。
卓球 下回転サーブの打ち方を徹底解説

【下回転サーブの打ち方1】
ラケットを持つグリップを変える
シェークハンドの場合は親指、中指、人差し指でラケットを挟んであげるのが一番回転量の強いサーブを出すことができます。
写真を参考にしましょう。


ペンの場合は持ち方は基本的に変えません。サーブ時に親指と後ろの3本指に力を入れましょう。
【下回転サーブの打ち方2】
サーブの構え時にラケットの面を上に向ける
下回転サーブはボールの下をこすって打球するため、最初からラケットの面を上に向けておくと下回転サーブが出しやすいです。
初心者の選手ほど下回転サーブを出そうとしても最初に難しい構えをしてしまい、いざサーブをきる時にうまくラケット角度が出せていません。
最初から下回転サーブのラケット角度を出しておくことを意識しましょう。
【下回転サーブの打ち方3】
ボールをトスしたあとにラケットを後ろに引く
ボールをトスしたあと、ラケットを後ろに引きます。ボールをトスした「あと」というのが意外と大切です。
その理由としては、最初からラケットを引いてしまっているとラケットを引いた時の反動を生かしてスイングスピードを上げることができません。
腕のしなりを使って回転をかけることができればベストですね。
4.ボールの下をこすって打球する
最後に、ボールの下をこすって打球します。
ここでつまずいてしまう選手の多くは、打球直前になってラケットの面を立ててしまいボールの後ろを打球してしまいます。
慣れないうちは「こする」という感覚がわからないため、ついラケットの面を立ててしまいがちです。
しかし、それでは下回転サーブを出すことはできません。
勇気を出して面を上に向けることで、少しずつ良い下回転サーブが出せるようになってきます。
卓球 下回転サーブの回転量をアップさせるコツ5選

1.当たる瞬間「だけ」力を入れる
サーブの回転量をアップさせようと力んでしまうと、サーブを打つ時以外にも力が入ってしいます。
それでは回転量のある下回転サーブを打つことはできません。大切なのは当たる瞬間「だけ」力を入れること。
当たる瞬間だけ力を入れることで、瞬間的なスイングスピードが上がり下回転サーブの回転量がアップします。
2.手首の力も利用する
腕の力だけでなく、手首の力も利用することでサーブの回転量がアップします。
バックスイングを取った時に手首を外側に向け、打球と同時に手首を内側に入れることでボールに力が伝わります。
手首だけで打球しようとするのではなく、腕の振りと一緒に打球することを心がけましょう。
3.バックスイングを大きくとる
バックスイングの大きさはサーブの回転量に比例します。バックスイングが大きいほどより大きな力を使うことができるからです。
なので単純に下回転サーブの回転量をアップさせたいならバックスイングを大きく取りましょう。
ただし、バックスイングが大きくなることでサーブの安定性が損なわれるので注意しましょう。
4.ボールをこすったあとスイングを止める
サーブの回転量を上げるコツは、いかに無駄な動作を減らすことができるか。
ボールをこすった後にラケットを止めることでスイング後の無駄な動作が減り、よりボールの打球にだけ力を注ぐことができます。
ただし、フェイクモーションを入れたい場合などはフォロースルーが必要になってくるのでバランスが大切になってきます。
5.ラケットを横に使うことを意識する
ラケットを縦に使う(先端・ヘッドからボールを打球する)と、遠心力を使うことができないのでサーブに回転がかけずらいです。
基本的に下回転サーブはラケットを横から(サイドから)使うことを意識しましょう。
上述した手首を使うという動作も、ラケットを横から使うことで覚えていくことができます。
【STEP別】卓球 下回転サーブの練習方法

【STEP1】
ボールをラケットにぶつけるようにしてボールの下をこする
サーブに回転がかからない一番の原因は、ラケットのスイングスピードが遅いから。
ラケットを早く振れないぶんは、ボールのトスを真上ではなくラケットにぶつけるようにして飛ばしてあげましょう。
よく「ぶっつけサーブ」なんて言いますね。
あれは違反サーブですが、下回転をきる感覚を養うのに非常に良い練習だったりします。
【STEP2】
ボールの下をこすって床にバウンドさせる
ぶっつけサーブで下回転をきる感覚がわかってきたら、次は床に向かって思い切り下回転サーブを出す練習をしましょう。
いきなり台で練習しない理由としては、台でやるとサーブを短く収めようとして無意識のうちに回転量を抑えてサーブを出してしまうから。
下回転サーブは回転がかかっていてこそ意味のあるサーブです。
なので最初のうちは台に綺麗に収めるような下回転サーブよりも床の上でもいいからしっかりと回転量のある下回転サーブを意識しましょう。
実際のサーブの長さに調節するのはあくまで回転をかけられるようになってからです。
【STEP3】
実際に台上で出してみる
ここまで下回転サーブの感覚を養うことができれば、あとは実際に台でサーブを出す練習をしていくだけです。
最初はサーブが長くなってしまっても良いのでどんどん回転量の強い下回転サーブを出すよう心がけてください。
次第にサーブの長短をコントロールできるようになってきます。
たくさん練習しましょう。
卓球トップ選手の下回転サーブの出し方を徹底解説

【トップ選手の下回転サーブ1】
馬琳選手
- 非常にハイトスで出すことで、落下の勢いを回転に変えている
- ラケットは外側から自分側に引くようにする
- ラケットは横から入ったあとフェイクモーションを入れる
下回転サーブの名手 馬琳選手です。上半身裸です。笑
馬琳選手の特筆すべき点はその回転量。
動画を見ていただけると分かりますが、台上でとんでもない勢いで戻っています。
純粋にスイングスピードが早いのもありますが、ハイトスで出すことで落下の力を回転に変えていますね。
【トップ選手の下回転サーブ2】
水谷隼選手
- スイングは台と平行にする
- 第一バウンドはネット付近へ
- 胸の前で打球する
水谷隼選手です。
スイング自体はコンパクトですが、豊富な回転量です。
馬琳選手は外側から自分側へラケットを引くようにスイングしていましたが、水谷選手はボールを飛ばす方向にまっすぐにスイングしていますね。
【トップ選手の下回転サーブ3】
馬龍選手
- 打球は自分の体のやや右側で行う
- 打球後瞬間的にラケットを下げる
- バックスイングは自分の肩の位置
馬龍選手です。馬龍選手は他の2選手に比べてバックスイングが大きいですね。
バックスイングが大きい方が回転量は多いです。
3選手に共通している点はハイトスサーブであること。
落下の力を利用するとサーブの回転量がアップし、3球目攻撃の速い攻めにつなげることができますね。