現在は全国各地で講習会などのコーチ活動を行っています。
この記事ではYGサービスについてわかりやすく徹底解説しますね!
今や中高生でも平然とYGサーブを出す選手がいますが、習得するのは比較的難しいのが特徴。しかし、一度覚えてしまえば、試合で絶大な得点源・相手へのプレッシャーになります。
- そもそもYGサーブとは?
- YGサーブの6つのメリット
- 【回転別】YGサーブの出し方
- トップ選手のYGサーブの出し方を徹底解説
この記事を読めば初心者からでもYGサーブの出し方のコツを学べるので、ぜひ参考してみてください!
【YGサーブとは?】
特徴と名前の由来を徹底解説

YGサーブとは「手首を外側に使って出す逆横回転サーブ」です。世界トップ選手の間では標準的に使われているサーブです。
【YGサーブの動画】
YGサーブが登場するまで逆横回転サーブを出すには、手首を内側に使って出す巻き込みサーブやバックサーブが主流でした。しかし、YGサーブの登場により、逆横回転サーブを出す選択肢が増えたことになります。
従来の出し方の逆横回転サーブよりも、より強くボールに回転を与えられることがYGサーブの特徴です。
ちなみにYGとは「Young Generation」の略。
もともとヨーロッパの若手が多く使っているサーブで「若い世代=Young Generation」が出すサーブ→YGサーブになったと言われています。
YGサーブの6つのメリット

【YGサーブのメリット1】
回転の種類が相手に読まれにくい
YGサーブはラケットの角度的に上回転、下回転などの判断が難しいです。
回転がわからないということは、レシーバーからすると大きなプレッシャーになります。
なので、甘いレシーブになり、3球目から積極的に攻めていけることが多いです。
トップ選手でもYGサーブに対して回転がわからず、レシーブが甘くなってしまう展開になるのをよく見かけます。
【YGサーブのメリット2】
強烈な回転をかけることができる
YGサーブは他の逆横回転系のサーブよりも手首を使いやすく、より強い回転をかけることができます。
強烈な回転のサーブは、相手のレシーブを限定させることができます。
例えば強烈な下回転のサーブを出すことができれば、まずフリックされることはないでしょう。ということはストップかツッツキを待てば良い。
このようにYGサーブを使うことで相手のレシーブの選択肢を狭めることでき、試合を優位に運ぶことができます。
【YGサーブのメリット3】
相手のレシーブが台から出てきやすい
YGサーブは、相手のレシーブが台から出てくることが多いです。
レシーブが台から出てくるということは、先手を取りやすいということ。
ツッツキに対してスピードドライブで攻めるもよし、軽くフリックされたボールを高い打球点で狙いにいくのもよしです。
【YGサーブのメリット4】
相手のレシーブがフォアに集まりやすい
YGサーブは逆横回転なので、基本的にレシーブがフォアに集まってきます。したがって3球目をフォアで待ち、先手を取りやすくなります。
フォア主体で戦う選手はより優位な展開をつくっていけると言えるでしょう。
【YGサーブのメリット5】
ロングサーブかショートサーブかの判断をわかりずらくさせられる
YGサーブは手首を素早く動かすため、スイングが早くなります。
スイングが速いサーブは、ロングサーブとショートサーブの判断が難しいです。
回転の判断が難しい中でさらに長短を意識したレシーブをするのはトップ選手でも大変です。
【YGサーブのメリット6】
サーブそのもので得点源になる
ここまで述べてきた理由から、YGサーブはサーブそのもので得点になることも多いです。
回転の判断ができなかったり、バックにレシーブするためには回転に逆らわなければいけないなど、レシーブ側は神経を使いながらレシーブしなければいけません。
相手が難しくレシーブしようとした結果、ミスをしてしまう。YGサーブはその確率が非常に高い、得点力のあるサーブなのです。
【STEP別】YGサーブの打ち方を4STEPで解説

【YGサーブの打ち方1】
ボールを上げた後、手首を内側に入れる
YGサーブは手首が大切です。
手首を内側(自分側)に入れます。
最初から手首を入れてしまうと力を使いづらいので、ボールを上げた後瞬間的に手首を入れることを意識しましょう。
【YGサーブの打ち方2】
手首を入れたまま肘を上げる
肘が低い位置にあるとYGサーブのバックスイングを取ることができません。
手首を入れるのとほぼ同時に肘を上げましょう。
バックスイングのためのスペースができます。
【YGサーブの打ち方3】
ラケットを脇の下にセットする
肘を上げてできたスペース(脇の下)にラケットをセットします。
手首は内側に曲げたままです。
ここでどれだけラケットを引けるかが回転量に影響してくるので、思い切りラケットを引きましょう。
【YGサーブの打ち方4】
手首を戻しながら前方向にスイングする
あとはボールの斜め後ろを捉えながら前方向にスイングします。
ラケットを振るのと同時に手首の力もボールに加えましょう。
手首だけ・腕だけで打球するのではなく、双方の力をボールに伝えることが大切です。
【回転別】YGサーブの出し方

逆横上回転のYGサーブの出し方
TACTIVE 櫻井さんの動画を参考に解説します。
- 手首を内側に曲げ、バックスイング時に肘を上げる
- ボールの後ろを捉える
- 外側へラケットを引く
YGサーブが出せない選手は、手首を意識しすぎて肘を上げることをおろそかにしてしまいます。
肘をあげてバックスイングを取るスペースをしっかりと確保することが大切です。
逆横下回転のYGサーブの出し方
WRMさんの動画を参考に解説します。
- ボールの下を取る(後ろを擦ると横上回転になってしまう)
- 姿勢を低くすると下を取りやすい
- ラケットを相手の方向に振る(外側に振ると横上回転になってしまう)
- 体を前に向けると相手の方向に振りやすい
横下回転は出すのが難しいですが、習得すると絶大な効果を発揮します。
上記を参考に、練習してみましょう。
YGでのロングサーブの出し方
龍門卓球場さんを参考に解説します。
- 手首を大きくひねり、勢いよくボールを前に飛ばす
- 台のエンドライン近くに叩きつけるイメージで打球する
- ボールの真後ろを打球する
ロングサーブはとにかく第一バウンドが大切です。
エンドライン近くを意識しましょう。打球する位置が台に近いと、より叩きつけるイメージで打ちやすくなります。
ペンでのYGサーブの出し方
WRM Xiaさんの動画を参考に解説します。
- グリップの親指に力を入れると横下回転が出しやすい(ボールの下を擦りやすい)
- グリップの人差し指に力を入れると横上回転が出しやすい(ボールの後ろを擦りやすい)
- 右足に力を乗せて、打ったあと左足に体重移動する
ペンでYGサーブを出す選手はまだまだ少ないです。だからこそ、習得すれば強力な武器の1つになるでしょう。
【番外編】 逆に曲がるYGサーブ
先日の青嵐クラブ 小川さんとの試合の一コマ
初見のサーブでしたが、普通にレシーブミスしたように見えたそこのあなた、違う。笑
特別に試合後出してもらいました!
最近は逆に曲がるサーブが流行ってるのか、自分も覚えた〜い🤣@SHOW19931121 pic.twitter.com/PQbLxwOa53— わった/池田亘通@ラージボール🏓 (@watta1115) 2019年5月12日
自分が以前練習をした、青嵐クラブ 小川さんの逆に曲がるYGサーブです。
初めて取りましたが衝撃を受けました。
・ボールの真後ろを超外側に打球する
・面を超立てる
ポイントは「超」です(笑)
逆に曲がるYGサーブ、実は上回転のサーブなんです。
YGサーブのフォームで普通に出すと、どうしても横回転が混ざってしまいます。そこで2つの「超」を意識すると純粋な上回転のサーブになり、バウンド後伸びる=逆に曲がるYGサーブになる、という仕組みです。
余裕のある選手は是非、チャレンジしてみましょう。
【初心者必見】YGサーブのコツ3選

【YGサーブのコツ1】
肘を高く上げる
初心者で一番ありがちなのが、肘が上がっていないということ。
上手くYGサーブを出せていないなと感じた時は、自分のYGサーブを動画で撮影し、肘が上がっているか確認してください。
自分が思っているよりもかなり高めに肘を上げて大丈夫です。
【YGサーブのコツ2】
台と平行に振るイメージで打球する
次にありがちなのが、ラケットを振り上げてしまうということ。(ボールの真後ろをドライブのようにスイングしてしまう)
そのような時は、台と平行にスイングすることを意識しましょう。
次第にボールの斜め後ろを捉えられるようになってきます。
【YGサーブのコツ3】
フォア前に出すことから始める
それでもまだボールの真後ろを打球してしまう選手は、フォア前に出すことから始めてみましょう。
フォア前に出すということは、台と平行に振らなければなかなか出せません。
体も正面を向かなければ出しづらいので、より本格的なYGサーブに近づいてきます。
トップ選手のYGサーブの出し方を徹底解説
上記で解説したのが基準ですが、トップ選手には違った特徴でYGサーブを出す選手がたくさんいます。
最後にトップ選手のYGサーブの出し方を分析し、解説していきます。
【トップ選手のYGサーブ3】
張継科選手
- サーブのテイクバック時にラケットが高い位置から振り下ろされる
- トスを上げる時に重心が後ろになり、打球時に体重をボールに乗せている
- 打球してから正面を向く
他の2選手と大きく違う点が上記です。
YGサーブは基本的にラケットを高い位置に持っていく選手は少ないですが、張継科選手は思い切り高い位置から打球します。
振り下ろす力を利用して強い回転をかけていると言えるでしょう。
また、トスを上げた後に重心を後ろにし、打球時に重心を前に戻すことによってボールに体重乗せています。
サーブの回転量が上がり、3球目攻撃に繋げやすいです。